キャッシュドロワ トラブルシューティング

キャッシュドロワで異常の際、初期診断のためのヒントとしてのトラブルシューティングです。

故障かなって思われる際、まずこれらをご確認ください。
すでに異常音や異臭がする場合など、あきらかに異常と見られる場合は、直ちに電源を切って、修理をご依頼ください。

 

問題点:キャッシュドロワが開かない。

チェック方法

  1. ドロワにACアダプタ電源が付属する機種は、電源が正しく接続されているか点検する。
    いったん電源を切り 、電源ケーブルのDCジャックをはずし、再度DCジャックを接続して電源を入れてみる。
    コネクタの付け根のケーブルを少し動かしてみる。
    →テスターなどをお持ちでしたら、ACアダプタのDCジャック側の電圧を測ってみてください。
     ドロワから外した状態(無負荷)では、ACアダプタに書かれた電圧より高めの電圧が発生します。(正常です。)
     
  2. 接続ケーブルを点検する。
    いったん電源を切りケーブルをはずし、再度ケーブルを接続して電源を入れてみる。
    コネクタの付け根のケーブルを少し動かしてみる。

    要点:ケーブルを動かすことで、電源ケーブルの断線や接触不良等が見つかることがあります。
    ※カウンター内接地など、ドロワ背面間近に壁がある場合、ドロワを閉めた際の衝撃で、ケーブルやコネクタが壁面にあたることで損傷する場合があります。 
    コネクタ保護用の専用の発泡材をドロワに同梱しておりますので、このような環境でご使用される場合、故障予防のためにご利用ください。

  3. 鍵を使ってあけてみる。
    鍵では開く場合→ 6.へ
     
  4. 少し(数ミリ程度)開くが出てこない。
    ドロワ内に何か引っかかっている可能性があります。
    ・ コイントレイ下にお札などをたくさん入れ、トレイが持ち上がった場合
    ・ 輸送中などでトレイが引き出し部からはずれて、上に持ち上がった場合
    ・ トレイに収納したものが原因で、ドロワ上部に引っかかった場合
    この場合、下敷きのように薄く強いシートを、引き出し部の上(写真の赤いライン)の隙間に差し込むことで、多くの場合はこの症状は復旧させることができます。
     
     
  5. 引き出しが途中で引っかかる。
    ドロワ内に何か引っかかっている可能性があります。
    ・お札などをたくさん入れた場合
    ・ トレイに収納したものが原因で、内部に引っかかった場合

    この場合、下敷きのように薄く強いシートを、引き出し部の上の隙間に差し込むことで、多くの場合は回避できます。


    ※札押さえが壊れた場合、保守パーツとして札押さえをご購入いただき、ご自分で取り替えていただくこともできます。

    引き出しがスライドレールに正しく乗っていない場合、動きがおかしくなります。
    その場合は、いったん完全に開き、トレーをはずすと、スライドする引き出しをはずすことができます。
    トレーは、少し強めの力で奥に押し込むことで、トレイ手前の爪が外れますので、上にはずすことができます。


    引き出しは、一番手前に引き出した状態で、手前を持ち上げることではずすことができます。
    引き出し装着する際、うまくガイドローラーをレールに乗せる必要があります。(多少コツがいります。)
    また、機種により構造が少し異なりますので、はずす際は慎重にお願いします。(必要がない場合は、はずさないでください。)
     
  6. ソフトからドロワオープン信号を送った際、ドロワ内部で「カツン」というソレノイド動作音がするか?
    しない場合→ 7.へ

    ・ 鍵の位置をチェックする。
     3ポジションの場合、一般的に ロック→外部制御→開放となります。
     パソコンレジソフトから制御する場合、外部制御の位置にして鍵を抜いてください。


    ・ドロワ内部で引っかかっている場合 上記 4. 5.をご参照ください。

    ・ドロワが傾斜している場合。

    ドロワはスプリングの力で押し出されますが、ドロワの手前が持ち上がる角度で傾斜している場合、ドロワが正常に開かない場合があります。ドロワは水平に使用するように設計されていますので、誤って傾斜して設置されている場合は、動作に支障が出る可能性があります。特にコインをたくさん収納した場合、かなり重くなりますので、ばねの力不足となることが考えられます。
    その場合、設置を改善ください。

     

  7. キャッシュドロワはプリンタに接続されている?(DKDインターフェースモデル DWB48MDK,DWS35SDKなど)
    異なる場合 → 8.へ

    この機種はDKD接続ですが、ご使用するソフトウェアの構成方法により、OPOSドライバやWindowsプリンタドライバを必要とする場合があります。


    ・プリンタの電源は接続され、電源が入っているか?
    ・プリンタは正しく動作しているか?(印字は正常か?)
    ・OPOSドライバを使用している場合は、キャッシュドロワが有効になっているか?
    ・EPSON OPOSドライバを使用している場合、ドロワセンサに異常があるとエラーとなります。
     このタイプのインターフェースの場合、プリンタからの信号でドロワが開くために、プリンタが動作している必要があります。

     
  8. キャッシュドロワは直接パソコンのUSBポートに接続されている?(USBインターフェースモデル DWB48MUSBなど)

    この機種はUSB接続ですが、HID使用ですので専用のデバイスドライバは不要です。

    ・パソコンのデバイスマネージャでHIDデバイスとして認識されているか?
    ・ACアダプタは接続されているか?元電源は入っているか?
    ・ドロワユーティリティを用いて、ユーティリティから動作するか?
     
    USBでの接続がうまくできない場合、PC側のコネクタが接触不良を発生していないかも、一度ご確認ください。

    USBコネクタは抜き差しに対して、設計寿命で1000回程度と、ちょっと考えられない低い仕様です。
    USBコネクタの接点は、挿す(機器側)コネクタ側は板状接点なのでかなり強いのですが、受け側(PC側)接点がゆるい板ばね形状であり、そのばね特性が弱ってくることで、PC側USBコネクタにより接触不良は発生しやすくなります。
    実際に構造上かなり接触がよくない部品もあるようで、古いPCなどで安価なコネクタを採用した製品は、USB接続での接触不良がよく見受けられました。
    また、PC側コネクタがこのような状態に陥ると、挿す側のコネクタの接点の板厚や汚れなど微妙な特性で、コネクタ間に相性のようなものが発生し、その場合、ちょっと不可解な現象が見受けられます。
    他の機器は正常に認識するが、ある特定機器をPCに挿してもうまく認識できない。しかし、その機器を別のPCに接続すると正常に動作する。
    などの場合、1つの原因として上記があることがあります。

    近年はUSBコネクタもかなり改良されてきたようですが、現実的にPC側のUSBコネクタの交換はできないので、一旦接触不良になると復旧は非常に難しいです。
    用途として頻繁にUSBコネクタを抜き差しすることが考えられる場合、あらかじめ抜き差しは外部HUBを用いるなど、故障時にコネクタが交換できる予防策をお勧めします。

     

  9. キャッシュドロワは直接パソコンのシリアルポートに接続されている?(USBインターフェースモデル DWB48MRSなど)

    この機種はシリアル接続ですので、デバイスドライバは不要です。


    ・ACアダプタは接続されているか?元電源は入っているか?
    ・ドロワユーティリティを用いて、ユーティリティから動作するか?

     
  10. キャッシュドロワはUSBアダプタを介してパソコンのUSBポートに接続されている?(USBインターフェースモデル DWB48MRS-USBなど)

    この機種はシリアル接続ですが、USBアダプタのデバイスドライバが必要です。

    ・USBアダプタは正しく認識されているか
    ・ACアダプタは接続されているか?元電源は入っているか?
    ・ドロワユーティリティを用いて、ユーティリティから動作するか?

     
  11. PCがスリープモードから復帰した後、正しく動作しないことがある?(USBインターフェースモデル)
    ご使用のPCにより、スリープモードから復帰した後、接続されているUSB周辺機器が正しく動作しない場合があり、一旦USB機器を抜いて挿しなおすと復帰します。
    原因として、スリープによりUSB機器の接続状態が変化し、スリープからの復帰に際し、Windows内のUSB管理テーブルが更新されないPCがあり、 その場合接続状況に矛盾が発生し正しくUSB機器が動作しません。

    スリープで不具合を発生するPCの場合、以下のような確認を行ってみてください。
    スリープ時に、PCのUSB出力状態を変化させない。→PCのBIOS等にあるACPIの設定USB電源ジャンパーピン、Windowsの電源設定、電源ボタンのスリープ状態などを変更し、スリープ中のUSB電源出力などを変化させてみる。
    スリープ時は、PCに対し積極的にUSBバスの再初期化を行 うモードにする。→スリープ時にはUSBへの電源供給をカットするなど、ACPIのスリープモード (BIOS設定)がS1モード(CPUのメモリでスリープ)の場合、S3に変更してみる。
    スリープさせない。→Windowsの電源設定などから、Sleep動作を禁止する。
    スリープ動作復帰後にUSBを再起動させる。→Sleepからの復帰を検出(管理ツールにあるタスクスケジューラ設定やプログラムにイベント検出を組み込む)した際、正しく動作しないデバイスのUSBバスをリスタートさせる。
    USBリスタートについては、テクノベインズのWindows7 32/64bit環境において、DevCon.Exeが有効であるこ とを確認しました。
    (2013/12/16追加)

     
  12. 接続中のUSBデバイスが、起動後など何もしていない状態であっても、突然認識されなくなることが発生する?(USBインターフェースモデル)
    USBハブ(HS)を用い、複数のFS(FullSpeed)/LS(LowSpeed)のUSB周辺機器を接続したPC環境の一部により、接続されているUSB周辺機器が 途中で動作しない場合がある。一旦USB機器を抜いて挿しなおすと復帰する。
    原因として、PCのチップセット(USBルートハブ)の問題により発生し ます。 Intel社のHM76 Expressチップセットである、PCH(C216)を用いたPCでの発生が確認されております。(Intel社 Specification Update参照)
    同ドキュメントに よれば、初期リリースのチップセットのStepによって、いくつかのUSBでの問題・対応が記載されています。
    (上記障害については、RMHとLF/FSデバイスの問題などが関連しているものと思われます。)

    RMH(Rate Matching Hub):HS(HighSpeed)モードで接続されたPCとRMH間では、FS(FullSpeed)もしくはLS(LowSpeed)の通信を 、速度をHSに変換(Rate Matching)して受け渡しを行います。
    障害を持つチップセットによって、変換の際に余分なデータ(Bubble)が発生し、USB通信 に異常を起こすようです。
    本問題はPCのチップセットによる問題ですが、MicroSoftのサイトにあるDevCon.Exeなどを利用し、USBをリスタートすることにより、一時的に復旧することを確認しています。(復旧しても、放置していると再度発生することが予想されます。)
    (2013/12/16追加)
     
MicroSoft社のDevcon.exeについて

DevCon (Devcon.exe)はWindows PCの接続デバイスに対し、インストール、有効・無効、取り外しなど、機器接続関連の複数の機能を制御できるWinodws2000以降用コマンドラインアプリです。
DevConを実行することにより、プログラム的に(USBデバイスを物理的に抜き差しすることなしに)、デバイスの再接続(PnP)を行うことができます。
このプログラムは開発者向けの色合いが濃く、MicroSoftのDevelopサイトのDevConから無料で入手することができますが、 それ自体の再配布は認められていません。
また、32ビット版はダウンロードにより直接入手できますが、64ビット版はWDK(ISOイメージの開発キット)に含まれた形で配布されています。 (コンパイル可能なプログラムソースコードも公開されています。)
注意点として、USBのリスタート実行には、管理者権限での実行が必要となります。(DevCon自体が管理者権限を必要としているのではなく、リスタートなど、呼び出すWindowsファンクションにより管理者権限が必要となるものがあります。)

 

 

鍵の問題

鍵を紛失した

ロックしていない状態(パソコンから開けられる状態)であれば、鍵シリンダごと交換が可能です。
予備鍵を同梱しておりますので、鍵を1本紛失した場合、まだ開けることができる状態のうちに、鍵交換されますことをお勧めいたします。
 

 

 

上記でわからない場合や、異常が認められる場合修理となる可能があります。
修理につきましては、テクノベインズまでご連絡・ご相談ください。

 

Last Update:2017/05/10