CSM150試用レポート(SPT1500 Vs CSM150)


SPT1500とCSM150での動作の違いを確かめるため、CSM150を試用してみました。

今回試用するにあたり以下の製品を使用しました。

  • CSM150日本向けパッケージ
  • Visor Prism(注意:Visor Platinumは2002年2月で販売終了しました。)
  • Visor Prism用シリアルドッキングクレドール
  • Visor Platinum(注意:Visor Platinumは2002年1月で販売終了しました。)
  • Visor Platinum用シリアルドッキングクレドール

動作は弊社作製のアプリケーションにおいてテストしました。
(2001/07/16 Visor Platinum評価追加)
(2002/03/01 Visor Edge評価追加)

(今回はあくまで、CSM150でアプリケーションが動作することを確認するためで、CSM150の詳細な技術評価ではありません。)

 

csm150vsspt1500front.jpg (28528 バイト) sptandvisors.jpg (21691 バイト)

Visorでのシリアル通信の障害(Palmコンパチビリティの問題)

結論を先に言いますと、SPT1500用のプログラムがVisorではそのままでは動きませんでした。
これは、Visor内部に特殊な仕様が入っており、シリアルクレドールにVisorを挿すことにより、その仕様が自動的に起動します。
その特殊な仕様とは、外部シリアルキーボード用のデーモンで、シリアルクレドールに挿し込むたびに起動し、そのデーモンがシリアルポートを使ってしまいます。

そのため、デーモンが起動すると、アプリケーションからシリアルポートが使用できなくなります。
(HotSync直後はソフトリセットが入るようで、シリアル通信できますが、一旦Visor本体をクレドールから抜き差しすると、それ以降はシリアルポートがAlreadyOpenErrorとなってしまいます。)
調査の結果上記がわかったので、プログラム通信部分に、シリアルポートオープン直前で、Visorの場合は毎回キーボードデーモンを禁止するようなルーチンを入れました。
これにより、Visorでも正常に動作するようになりました。

操作感

上記対応により、Visor+CSM150でも動作できるようになりましたので、操作感をのべます。

VisorPrismで試したのですが、SPT1500とくらべると圧倒的に画面がきれいです。
他の白黒Visorを試していませんのでわかりませんが、やはりバックライト付きカラーはきれいです。
(PalmIIIcのときはそれほど感激しなかったのは?)

csm150vsspt1500head.jpg (10633 バイト)

sptandvisorsbv.jpg (18034 バイト)

csm150vsspt1500height.jpg (23515 バイト)

また、VisorPrismにCSM150を差し込んだ場合、最大厚みはSPT1500の倍ちかくあります。

しかし、グリップ感は手の大きさなどから個人差が大きいと思いますが、わたしは圧倒的にVisorPrismのほうがSPT1500よりよくフィットします。横幅はほんの少し細いだけなのですが、 質量や、背面のくぼみや表面の凹凸などにより手によくフィットします。(別の女性は、あまりかわらないといってます。軽い分SPT1500のほうが良いと言われました。)

それまでにSPT1500をさわったことがある人間に共通する意見ですが、Visorの方がSPT1500より小さく見えるため(軽そうに見えてしまい)、実際初めてVisorを手にしてみると、オッと思うくらい(錯覚で見た感じの倍近く)重く感じてしまいます。
また、VisorPrismは専用クレドールとの相性がなぜかあまり良くないようで、きちっと挿す(LEDが点滅する)のがかなり大変です。

VisorPlutinumは見た目にVisorPrismと同じようですが、手にもってみた場合、見た目どうりに軽やかです。
専用クレドールの挿し込んだ状態のホールド感も悪くなく(背中にホールド用の穴があります。)、なによりもCPU速度が速いです。通常はほとんどキー待ちになっているのでわからないですが、時間がかかるデータメモリへの書き込みの際、SPT1500に比べVisorPlutinumはかなり早いようです。(今回は時間が無くて、時間測定を行っていません。)

直射日光下で、SPT1500及びVisorPlutinumは全く問題ありませんでしたが、カラー液晶のVisorPlutinumは手で日光をさえぎらないと、かなり(ほとんど)見えませんでした。(反射型でないと、屋外に持ち出す場合はつらいですね。)

弊社実測
  SPT1500 VisorPrism+CMS150 VisorPlutinum+CMS150
サイズ 対SPT比率 サイズ 対SPT比率
最大厚み 16.5mm 29.0mm 176% 25.0mm 152%
本体最大厚み*2 16.5mm 21.5mm 130% 18.0mm 109%
横幅寸法 80.0mm 77.5mm 97% 77.0mm 96%
縦寸法 140.0mm 122.0mm 87% 122.0mm 87%
本体質量 174g*1 213g 122% 179g*1 103%

*1電池及びCSM150を含む本体のみの質量

*2ボタン等の突起部分を除く

CSM150での問題点

CSM150では上部にトリガースイッチがありません。
何人かの人に操作方法を言わずに手渡したのですが、全員Visorの上のほうを押そうとしました。
トリガーボタンがなく、どこ押すの?が第1印象でした。
CSM150の改良版が出るのであれば、せめてレーザモジュールにトリガースイッチをつけてほしいと思いました。
(弊社ではCSM150トリガ問題を回避するために、ソフトを一部改良しました。)

読み込み

SPT1500と比較すると、CSM150はレーザ出力がかなり弱いようです。(並べてスキャンすると明らかに暗いです。)
そのためか、読み込みがSPT1500に比べて弱いようです。正面近距離ではあまり変わりませんが、バーコードから少し離れたり、斜めからのスキャンがかなり弱いようです。


電源の問題

VISOR Prismは内蔵バッテリ駆動で電池を交換できません。
そのため、大量のスキャンを必要とする倉庫棚卸など、途中でクレドールへ本体を戻せず、再充電できないような環境での運用には適しません。
業務用途では、予備バッテリを持ち歩くことは簡単ですが、再充電するのはちょっと厳しいですね。
Visor Plutinumは電池駆動ですので予備電池さえあれば(たとえ無くなっても、単4アルカリですのでコンビニで買えます。)問題ありません。

※あまり知られていませんが、Palmは本体の設定切り替えで電池の種類が選べます。DotDot7でアルカリ電池[Alkaline],ニッカド電池[NICAD],充電可能なアルカリ電池[RechargeableAlkaline],ニッケル水素電池[NiMH]から選択できます。
最近は電池容量が大きくて、電池や充電器の値段も安いニッケル水素がよさそうです。(電池種類での評価は、まだ未調査)

ところで充電可能なアルカリ電池っていうのは日本じゃほとんど見かけないようですが。
電圧がたぶん1.5Vある充電電池なのでしょうかね。

 

その他機能的な問題

一般的にはあまり関係ありませんが、シンボルのスキャナはレーザにスキャナのレーザ振幅幅を変更できます。CSM150にもこの設定があるのですが、このパラメータを変えても実際の振幅が変化しませんでした。(同じプログラムでSPT1500は正しく変化します。)


総合評価

CSM150は小型で、安価なレーザスキャナモジュールです。
従来のレーザスキャナ付きハンディターミナルとして考えた場合、今までほとんど手が届かなかった価格帯のものが、VisorPlatinumなどと組み合わせますと5万円弱で手に入ります。

これは画期的なことだと思います。SPT1500と比較しても安くなりました。
今回の評価の中で、業務用として考えた場合、Visor Prismは電源の問題があります。使用中にクレドールにある程度の時間挿したままにできるような環境でのご使用に向いています。
しかし、Visorは他に電池駆動モデルであるVisor Platinumなどがありますので、こちらを使用することで、業務用途にも使用できるのではないかと思います。(残念ながらいちばん安価なVisor DeluxはPalmOS3.1なので、PalmOS3.5以降のアプリケーションは使用できません。)
今回評価を行うまでは、SPT1500とCSM150で同じレーザスキャンエンジンを使用していると勝手に思っていたのですが、実際使ってみると両スキャナでは性能差が感じられます。
SPT1500に比べCSM150のほうが上記のようにトリガスイッチ機能やエンジン性能、コネクタ差込による信頼性など幾分低いようですが、でもその価格には十分インパクトがあります。
もし予算的なことが許すのであれば、業務用途ではSPT1500をお勧めします。
次にVisorPlutinumは、なかなかお勧めです。(トリガが無い分、ちょっとSPT1500に負けてます。値下げにより、価格差では、SPT1500よりかなり有利になりました。)
予算的に厳しい(多くの)場合、CSM150は最適だと思います。

2001/7/16 コメント追加 - Visorは2001/6/1、2001/7/12に相次いで値下げが行われ¥34,800→¥29,800→¥24,800となりました。 これでセットで¥47,800(税別)となりました。

2001/8/6 コメント追加 - Visorがまたまたまた値下げしました。
定価の値下げは、ここ2ヶ月で3回目で、品物によっては実に6割近くも値下げされました。
<Visor 機種名> 元の価格→6月1日→7月11日→8月4日
<Visor Prism> 49,800円→44,800円→39,800円→24,800円
<Visor Edge> 44,800円→44,800円→37,800円→37,800円
<Visor Platinum> 34,800円→29,800円→24,800円→14,800円
<Visor Deluxe> 24,800円→24,800円→19,800円→9,800円

2002/01/15 コメント追加 - Visorがまた値下げしました。
私たちも気づくのが遅れたのですが、EdgeとPrismがそれぞれ2001/10/26,2001/11/30に値下げしていました。
また、2002年になって、Platinumが販売を終了したようです。(流通在庫が終了しました。)
しかし、後継にあたるVisorNeoの国内での発表は、確認しましたが今のところないようです。

機種名   00/12 01/3/8 01/4/6 01/6/1 01/7/11 01/8/4 01/10/26 01/11/30 02/01/15
Prism   ¥49,800 ¥44,800 ¥39,800 ¥24,800 ¥19,800 ¥19,800
Edge       ¥44,800 ¥37,800 ¥19,800 ¥19,800
Platinum   ¥34,800 ¥29,800 ¥24,800 ¥14,800 終了
Deluxe ¥29,800 ¥24,800 ¥19,800 ¥9,800     終了

Visor各機種発売と価格改定一覧(価格改定日はHandSpringの改定実施日)

 

2002/02/15 コメント追加 - Prism販売終了!
今回Prismの販売が終了したようです。(メーカー・流通在庫とも終了しました。)
どこかで大量発注があり、メーカー在庫が全てなくなり、日本のHandSpringとして追加販売は考えていないとのことです。
しかし、確認しましたが後継機種の国内での発表は、今のところないようです。
国内版はEdgeしか残っていません。いきなり発表もなく....困りました。

 

2002/02/15 コメント追加 -Edgeでの確認終了
Visor Edgeで動作を確認しました。スロットが本体背面の外付けアダプター式になるので、多少心配していましたが、CSM150及び弊社プログラムは問題なく動作しました。強度等は外に出た分、弱くなると思いますので、特に落下事故には注意が必要であると思われます。

 

余談

Visorは通常USBポートを閉じていて、HotSyncを行うときのみUSBデバイスになるようです。
Windowsから監視していると、クレドールにさした状態ではUSB認識されませんが、HotSyncを押すとUSBデバイスとして「Handspring USB」というデバイスが認識されます。
HotSync終了後、同デバイスは消えます。

 

上記評価はテクノベインズで独自に調査したものであって、メーカー発表のものではありません。寸法等は弊社においての実測値ですので、正確な値はメーカー発表の仕様をご参照ください。

Last Update : 2011/09/12


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