CCDスキャナの仕組み


CCDタイプのバーコードスキャナ

CCDタイプのバーコードスキャナは、ビデオカメラやデジタルカメラなどで用いられているCCDイメージセンサ(画像撮像素子)を用い、バーコード情報を画像として読み込みます。
ビデオカメラなどのCCDと異なる点は、ビデオカメラが2次元(2D)のをカラーで読み込むのに対し、一般的なバーコードスキャナは1直線の(1D)をグレースケールで読み込みます。(最近は2次元バーコードやカラーバーコードなど、面や色で情報を持ったバーコードなども実用化され始めています。)
スキャナ内部に内蔵した赤色LEDにより読み込むバーコードを照らします。カメラがレンズによりフィルム上に像を作りのと同じ原理で、レンズによりCCDイメージセンサ上にバーコードの像を作ります。CCDイメージセンサにより取り込まれた画像は、スキャナ内部のCPUで解析することで、画像中に含まれるバーコードを判別・読み込みます。

上記は解説用に特別に製造されたBCS83Tスケルトンモデルです。(透明ボデイはCCDに外乱光が入ってしまうため、読み込みに影響します。製品としての販売はしておりません。)

CCDタイプのバーコードスキャナの特徴

バーコードが実用化された当初、ペンタイプのスキャナが使われていました。ペンタイプはスキャンを人間の手で行っていたため、バーコードを読み込むにはかなりのコツを要しました。これと比較すると、CCDタイプのバーコードスキャナは、バーコードにリーダー部を向けるだけで読込が行われるため、初めてスキャナをご使用する方でも、ほとんど練習無しで使用できます。

非常にすぐれた方式なのですが、発売された当初は非常に高価でした。
しかし、半導体とソフトウェアで構成されたスキャナですので。
パソコン同様量産することで大幅に価格がさがりました。
現在では価格も大変安くなり、バーコードスキャナといえばCCDスキャナを指すぐらい広く普及しています。
写真奥の横長四角がCCDイメージセンサ、手前の黒丸がレンズです。

CCDイメージセンサとは

CCDはCharge Coupled Deviceの略です。トランジスタなど半導体素子は、本来光があたると電気的特性が変わる性質があります。通常半導体はこのような外的変化を抑えるように作られていますが、光を感知する事が目的で製造されているフォトトランジスターやフォトダイオードなどセンサー素子では、光の影響を受け変化しやすく作られています。これら素子では、光の強弱を電荷(電気のエネルギー)に変換することができます。
数千個のフォトトランジスタを半導体のウェハ上に1列に並べれば原理的にはリニアイメージセンサはできます。しかし、素子1個1個に配線を行い情報を取り出すということは莫大な数の配線が必要になり、特に、いくらICが高密度化されてきたといっても限界があります。さらに、CCDの場合、光を受ける半導体部分の表面に金属配線を行えません。

それを解決するために、CCDでは各受光素子部分で受け取った光の強弱の信号を電荷とし、隣のセルブロックへバケツリレー式に送ることで、いくつかの共通した制御線を配するだけで構成されています。

バケツリレーで送る方法として、いったんシフトレジスターと呼ばれる回路へ電荷を送り込み、それを受け渡す方式(インターライン転送型)とシフトレジスターの素子をそのまま受光部素子として用いる方式(フレーム転送型)があります。フレーム転送型は回路がシンプルになるので受光部面積を広く取ることができますが、シフトレジスタが受光素子をかねていますので、転送中は光を遮断しないと外部光の影響を受けてしまいます。
バーコードスキャナではインターライン転送型がおもに使用されていると思われます。

CCDイメージセンサの特徴

CCDは、半導体による固体撮像素子であるため、以下のような非常に優れた特徴があります。
  1. 非常に高密度なセンサー。
  2. 高速に画像を読み込める。
  3. 精度が高い。
  4. 素子によるばらつきが少ない。
  5. 機械駆動部品がないので振動や衝撃につよい。
  6. 環境変化、経年変化が少ない。
  7. 非常に軽い。
  8. 高速に読み込める。
  9. 一度に読み込める。
  10. 大量生産に向く。
  11. 機械的調整が不要。
通常CCDはレンズの焦点位置を読み取り口の付近にあわせるため、スキャナをバーコードにくっつけた(タッチした)状態で読込を行わせます。最近ではレンズや読取りソフトウェアなどの改良により、CCD型であってもレーザースキャナのようにバーコードから10cm以上離しても読み込みができるロングレンジ型も登場してきています。
多くのバーコードスキャナは、バーコードを解析するCPU(デコーダ)およびキーボードインターフェースをバーコードスキャナ内部に備えているため、パソコンへ直接接続することができます。

CCDスキャナの性能

CCDスキャナは電子製品ですが、デジカメなどと同じく光学製品でもあるので、それらも性能に影響します。
レンズの性能
レンズによりバーコードのイメージを読み込みます。解像度が低いレンズが用いられていると、細かいバーコード読み取りに対し問題が出ます。
CCDの性能
CCDは受光素子が横一列に並んでいます。この受光素子の数が1024個とか2048個とかあります。受光素子が多いほどCCDとしては分解能があがるためたくさんの点を読み込むことができます。
CPUの性能
受光素子が増えると読み込んだ後の処理量が多くなるため、より高速なCPUやより大きなワークメモリが必要になります。 最近では2000〜4000くらいの素子数が一般的です。
スキャンスピード
1秒間に何回スキャンを行っているかを示します。CCDスキャナの場合、CCDからのイメージ転送速度やスキャナ内部の画像解析能力により影響されます。

Last Update : 2011/09/09

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